【アニこと】アニメの名言 これは使える！ / ただの名言集じゃない！、アニメの名言と著名人・偉人の格言のコラボレーション！モチベーションを上げるアニメの名言を貴方に

しかし、観光協会の信楽に、祭りには
三種の祭具が不可欠だと言われ、
「剣鉾・吊太鼓・黄金の龍」の
三種の祭具を探す事になった。

祭りが行われなくなって
50年も経っている為、
祭具の行方を知る者は
地域の老人ですらいない状態だ。

由乃らは手掛かりを求めて、
山奥の蕨矢集落に移住してきた
元大学教授の鈴原を訪ねる。

そこで、集落のどこかの蔵に
あるという噂を知ったのだが、
蔵のある家は多く、一軒一軒
回って探すのは骨が折れる。

早苗は、市が老人たちに無料で配布
しているタブレット端末の使い方を
彼らに教え、SNSを使って情報を求める
方法を思いつく。

老人達はタブレットを使いこなし、
新たなコミュニティを形成するに至った。

そんなある日、鈴原は由乃を人質に
集落のバス路線廃止決定に抗議し、
集落の老人と共にチュパカブラ王国
からの独立を宣言する映像を
コミュニティサイトに流した。

鈴原の目的は、いずれ住む者も
いなくなってしまうこの集落に
残る文化を、老人自らデジタル
アーカイブとして残させる事だった。

老人達はタブレットを使いこなす事で
自分達の日常を映像として残し、
廃止されたバス路線の代わりに
タブレットで予約できるデマンドバスが
試運転されるようになり、突然起こった
独立騒ぎは終幕となった。

鈴原は、SNSに祭具のうちの一つ剣鉾の
在処を書き込み、一人で飲んでいた
ウイスキーに氷を足そうと台所へ
行ったまま倒れ、亡くなった。

孤独死であった鈴原だが、
集落の皆が立派な葬儀を挙げて見送った。

早苗は、彼が蕨矢に来てからつけていた
ノートの山に、引退してもなお自分の専門
である文化人類学の研究していたことを知り、
彼が20年かけて蕨矢に根を下ろしていた事を悟る。

「偶然」は神の采配によるもの
という考えもあるが、偶然を必然に
変えるのは「人」の力である。

そう考えられる経験を、帝国ホテル社長
である小林哲也氏が次の様に語っている。

「ずいぶん前、米国の空港で隣に座った
 品の良いご婦人と話をし、名刺を
 渡したのがきっかけで、その年の
 クリスマスにカードを頂きました。
 実はその方は、とある大会社の
 社長夫人だったのです。
 お目にかかった２年後からは、
 社長ご夫妻を長年にわたり、
 自分が働く帝国ホテルにお客様
 としてお迎えすることができました。
 これは、まさにホテルマン冥利に
 尽きる縁であったと思います。」

氏の隣に座った婦人が偶然大企業の
社長夫人で、たまたま会話を交わした
としても、名刺を渡すほど打ち解ける事
ができたのは氏のコミュニケーション力
によるものだ。

よほど印象が良かったのだろう。

でなければ、数多の人物と接する
機会の多い社長夫人が、夫のビジネス
とは関係のない、ただのホテルマンに
クリスマスカードを贈ったりはしない。

出合いをきっかけに、長年に渡って
自身の勤めるホテルの上得意と
なってもらえたのは、彼の力であり
自ら縁を作り出した結果である。

長い人生の中で、私達は数えきれない
出会いを経験している。

それをのちに「縁」であったと
言えるのは、自ら行動を起こした時だけだ。

「多生の縁」を「今生の縁」に
変えることができるのだ。