【アニこと】アニメの名言 これは使える！ / ただの名言集じゃない！、アニメの名言と著名人・偉人の格言のコラボレーション！モチベーションを上げるアニメの名言を貴方に

そんな中で、撮影に使う空家の
持ち主と中々連絡が取れないでいた。

そこで由乃が持ち主に電話をしてみると、
遂に繋がったが、そこで持ち主は空家の
使用について既に許可はしているという。

連絡を任せていたしおりが持ち主と
繋がらないと嘘をついていたのだ。

由乃は駆け出して、
しおりのもとへと向かった。

しおりは、問題の空家の縁側に座り、
ここに住んでいたおばあちゃんに
絵本を読んでもらっていた時の事を
思い出していた。

縁側の柱には「しおり　６歳」と
身長を測ってもらった時の
文字が残っている。

そんなしおりの目の前に
由乃が現れた。

「しおりちゃん何で嘘ついたの？
 ここの持ち主、もうとっくに
 許可してるって聞いたよ。
 燃やしても何してもいいって」

由乃はしおりに問い詰める。

「この家ね、私が子供の頃
 良く通ってたんだ。
 優しいおばあちゃんが住んでて。
 大部前に亡くなっちゃったけど、、、
 思い出のお家なの」

しおりにとって幼い頃おばあちゃんと
ともに過ごしたこの家は、
とても大切な場所だったのだ。

「だからここを燃やすって
 言われたとき嫌だなって思った。」

しかし、いくら設備が充実してきても
ただ建っているだけなら建物でしかない。

家とは家庭を築くのに欠かせないものであり、
様々な思い出を積み重ねていくものである。

その「家」というものの根本部分は、
今も昔も変わらない。

それは家族だけでなく友人間や、
それ以外の関係でも思い出の中に
家というものが関わる事は少なくない。

逆に言えば、古くなろうと、
たとえ空家になり、住んでいる人は
いなくても、そこを今も人との
つながりの思い出の場所とするならば、
そこが「家」に変わりないのだ。

仕事終わりや学校帰りで家に着き、
何気なく「ただいま」を告げ、
食事の時に家族皆でテーブルを囲み、
寝慣れたベッドで眠りについたりする家での
何気ない日常が家族にとっての幸せである。

何年間も過ごしていた家は、
その思い出と共に家族の一員の
様なものである。

そんな家を壊すという事になると、
そこの家族や思い出が残っている
人達は悲しい気持ちになる。

別れがくれば、家族と同じように
悲しみ、感情がこみ上げる。

家はただの箱ではない。

家は、家族や人と思い出や愛着で
固く結ばれている。